北島コロマンデル半島にあるSPCA（動物虐待防止協会）テームズ支部の動物保護施設において、無駄吠えをする犬が多く、近隣の住民から苦情が相次いでいた。これに対してテームズ・コロマンデル地方自治体は、問題とされている10匹の犬に、吠えると電気ショックが与えられる仕組みの首輪を付けるよう命令。さらに、３週間たっても無駄吠えを止めない場合には、保護施設からこれらの犬を立ち退かせるよう指示を出した。

イノテックショック犬の首輪

　同SPCA支部のペリー・ドヴェル議長は、「こうした首輪を犬に付けることは、SPCAの目指すところに反するが、これらの犬を保護するための手段はほかにない」と、落胆の色を隠せない様子。５月にも同自治体は、同SPCA支部に対し、建物に防音装置を施すこと、さらに夜間はすべての犬を室内に入れることを義務付ける通告を出していた。同支部は、施設移転を考慮中であったためにこれを実行せず、代わりに先頭だって吠える犬を移すなどしたが、残った犬は吠えるのを止めなかったという。

　国立動物福祉顧問委員会（National Animal Welfare Advisory Committee）議長、デヴィッド・メラー教授は、この電気ショック首輪について、「瞬間的に犬に不快感を与えるものの、実際に傷付けるわけではなく、無駄吠えには有効的であろう」と述べている。動物訓練にはよく使われ、他の自治体でも、これまで無駄吠え問題に対処するため使用されてきた。ただし、あくまでも最終の手段として使われるべき、と同氏はコメントしている。

社会   2003年7月22日